ミニマリスト生活がもたらす5つの弊害

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ミニマリスト生活は、とにかく無駄を削ぎ落とした合理主義の行き着く先にあるものです。ただなんとなく始めてみたという人はあまりいないでしょう。

初めはシンプルライフを目指していたら、最小限とはどこまでなのかに興味が湧いてきてそれを目指してしまったのは俺だけではないはず。

試行錯誤を繰り返して今のスタイルにたどり着き、生き方として良い面も多いがその面悪いところも多くあることに気づかされました。

特に弊害の根源ともいえる、金銭の面・美容健康面の余裕のなさはミニマリスト生活に限らず、断捨離段階でも悪い影響を与える問題ですので、早急に解決しなくてはいけません。

ミニマリストとは?

ここで一度ミニマリストという言葉について簡単に整理ておきたいと思います。

ミニマリストにも幾つかの派閥というか、宗派のようなものがあって人によってその理想とする姿や定義が微妙に変わります。

しかしどのミニマリストにも共通するのは、少ないもので暮らす、という点です。

それが極限まで減らすことなのか、身の丈にあった量なのかという方法論についてはここではふれません。

おおまかにタイプは3つ

ミニマリストには大きく分けて3つのタイプが存在します。

多くの場合この3つの枠組みの中から出ることはないでしょう。

  1. 極限まで持たない 極限派
  2. 自分の気に入ったものを厳選して持つ シンプルライフ派
  3. 必要な物はすぐに買う、要らなくなったら捨てる 正統派ミニマリスト・金持ち派

日本にいるミニマリストの多くは、1か2ばかりです。それは日本の税制なども大きく関係してきます。

御存知の通り日本の税制は所得が大きい人ほど負担が大きくなります。そうなるとお金持ちの多くは、望む望まないに関係なく節税のためにお金を使わざるを得ません。

その中には物品も多く含まれます。高い税金を払いたくない、少しでも節税したいと思うのは人の性。

また高額なモノを購入することで、それが経費となり何年間にもわたっての節税にもなります。お金持ちでミニマリストと呼ばれる人がほとんどいないのは、そういう側面があるからかもしれません。

ビートたけしのミニマリストに対する発言を見る限り、カネがない=ミニマリストという発想につながるのは不思議ではないなと感じるくらいです。

極限派

通称極限民とも呼ばれる、ミニマリストが登場する前から存在していた生活の無駄を徹底的に削減した人たちの総称です。

昔は2ちゃんねるの極限スレ住民のことを指す言葉で、テレビを持たない・寝袋で寝る・スーツケース1つの生活、などテレビでよく見るミニマリストよりもミニマリストしている人たちでした。

単純に貧乏なのかお金はあるけど趣味なのか実態は不明ですが、ミニマリスト界隈でも発言力が高くなるの傾向にあるのがこの極限派の人たちです。

ミニマリストは モノが少ない=偉い という図式を良くも悪くも作ってしまったレイヤーでもあります。

シンプルライフ派

ロハス・断捨離アンとの親和性が最も高い、ミニマリスト最大派閥

お気に入りのものだけで暮らすシンプルな暮らしから、女性・主婦ミニマリストに多い傾向です。

極限民とくらべて、ミニマリスト同士の繋がりを大事にすることから、肩書よりもサークルに近いグループとも受け取れます。

ただしボリュームが多いということは、洗練されたオシャレな人から貧乏ドケチ系まで玉石混交なので、外部からは異様な集団に見えてしまうのが玉にキズ。

正統派ミニマリスト

ミニマリスト発祥のアメリカのミニマリストスタイル。

本来は富裕層がモノを持つことの虚しさを覚えて、少ないながらも良い物だけで洗練された生活を営み始めたのが本来の姿。

ミニマリストを節約術としている日本のそれとは違い、シンプルで上質な生活をおくることを目的としている。

いくらで富裕層と定義するかにもよるけれど、年収1000万円前後のアメリカ人がインタビュー受けてたから、多分それくらいから。

日本の露出しているミニマリストではほぼ皆無の人種です。

ミニマリスト本を出版した人の本職が編集者だったので、もしかしたら?ってところでしょうか。

ミニマリスト5つ弊害

どういう生活スタイルで暮らそうとも、個人の自由なのですが、ミニマリストという生き方は色々な弊害も待ち受けています。

世の中、万能ネギのような便利な生き方はそうはないということです。

弊害1:ミニマリスト生活は災害に弱い

物を蓄えることは、リスクをその分だけ減らしてくれます。よく言われるのが天災時のヘッジとしての備蓄食料や防災グッズなどですね。

少ない服、備蓄のない日用品、アウトソーシングを前提とした生活サイクルはそのどこかが崩れると全体が瓦解します。日常生活では顕在化しないリスクだから、あまり深く考えずに過ごしてしまいがちですが何かあったときにダメージは一般的な生活を営む人以上に深刻です。

ミニマリスト生活を「良いもの」と言いつつ、「ミニマリストになりましょう」と言わないのはこの弊害につきます。俺は人の命に関わる点においてリスクを取らせたくはありません。

この災害とリスクを検討して少しでも不安がある人は、持たない暮らしやミニマムな生活を目指さず「断捨離」「整理整頓」だけにとどめておいてください。

ミニマリストでも防災グッズだけは特別枠という人もいるでしょう。うちは家族がいますから防災グッズは用意してあります。

しかし、独身だったら持ってないかもしれない。結構人ってリスクを過小評価してしまいがちです。

弊害2:普通の人が当たり前の状態がノイズになる

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シンプルで雑音の少ないプライベート生活も、外に出れば雑音だらけの世界が広がっています。心理的にも物理的にもです。

実家や家庭持ちの人は部屋から外に出た瞬間に、そうでなくても勤め人なら家の玄関から外に。

どういうわけかミニマリストになると神経質になりがちです。外界の広告や音楽、雑多な商品がノイズとなって飛び込んできます。私生活がシンプル故に、耐性が落ちてくるのです。海外生活でBGMの流れないスーパーやレストランを経験した人が、帰国後日本はうるさいと感じるのにも似ています。

これは個人の感性に依存するので、普遍的ではありませんが「断捨離」が捨てることに執着しだすのと同じように、ミニマリストは最小でシンプルであることに「執着」してしまいます。

自然なライフスタイルとしてまだまだ定着してないので仕方がないですが、あくまでも「自分」がミニマリストであることを肝に銘じて、外界の雑音や他人のスタイルを認めて受け入れるだけの器量は持っておきたいですね。

弊害3:幸福病に陥りやすい

ミニマリストが宗教的に見えるのは、ライフスタイルをシンプルにすることで「自分は幸福である」という錯覚に陥ってしまうから。

断捨離をする人は、自分の中にある何かをリセットしたい人が多いので、そこから離れて新しく始めた人生が「不幸である」なんて誰も思いたくないでしょう。

本人が幸福を感じるのはいいのですが、周りと共有しようとするのは少しだけ控えたほうがいいかもしれません。第三者が見て、「物が少なくなった」という事実しか見えない「幸せ報告」は「ツボを買って有難がる人」と同レベルです。

残念ながら人は「結果」を見ます。ミニマリストになって「仕事で昇進した」とか「勉強時間を確保して資格が取れた」とか現実感のある結果が生まれるまで「私はミニマリストです」とリアルで宣言するのは止めましょう。

確証バイアスと呼ばれますが、自分の置かれている立場を現在の社会環境から都合のいい情報だけを引き出して「ミニマリストは良い生活」という先入観を深化させてしまいがち。注意をしないとイタイ人認定されてしまいかねません。

近年はミニマリストの生き方がクローズアップされテレビにも取り上げられるようになりました。その中で非常に興味深かったのは、ビートたけしが番組内で、ミニマリストって結局貧乏人だろ?という内容の発言です。

ミニマリストという生活様式が、多くが収入と支出の均衡を保つための節約手段で終わっており、生活コストを下げたその向こうにある成功や努力の放棄をしている姿を見事に言い当てています。ここが宗教臭いといわれる所以でしょう。

弊害4:もっとミニマムになりたい欲が高まる

ものが少なくなるほど、もっと少なくしたいという欲求が強くなる。

ミニマムで消費社会から一歩引いた生活を標榜しますが、ほとんどの場合その消費社会の活動の中に売る側買う側として組み込まれている以上、ミニマリストも持たざるを得ない人たちばかりです。

一部その枠組みから飛び出している人がいますし、その人たちの生活に憧れ自分と比較してしまいます。それが自分自身の今の姿への葛藤になります。

最近は、その執着から逃れられれば、ミニマリストという肩書さえ不要になり、精神的な自由が得られるような気がしてなりません。ミニマリストは、ミニマリストという単語に縛られすぎている傾向にあります。

弊害5:家族を巻き込みだす

自分自身がシンプルになるのはいいのですが、家族を巻き込みだしてしまう恐れがあります。実際そういう人は結構いるようです。

家族も納得しているといえばそこまでですが、自分で暮らし方を選べない子供がいると親のエゴで振り回されて学校の友達とのコミュニケーションもまともに取れなくなる可能性さえあります。

ミニマリストはノイズ除去のためにテレビをあまりみない人も多いのです。子供にとってテレビとは友達とのコミュニケーションツールであり、話題の源泉です。

親のメディアへのつきあい方が原因で友達の輪に入れないというのは、子供にとっては拷問に近いでしょう。

ある意味子供が巻き込まれて、精神的な貧困に陥るような環境に置かれる可能性があるからこそ、ミニマリストと名乗る場合は相手の立場を尊重したうえで振る舞うことが重要です。

ミニマリスト病にならないために

シンプルな生き方に憧れることは大切ですが、物事には限度があります。

ミニマリストは禅の思想を大切にしますが、禅の本流である仏教はホドホドであることを説いていることを忘れ気味です。

最低限以下のことは守って、シンプルな行き方を模索してください。

災害の備えは持ち物とは別に分ける

防災対策に関しては、自分の持ち物とは分けてください。

例えば、防災用にアウトドア用リックを用意しておき、避難リュックとして活用すれば震災の時にもすぐに対応できます。

持たない自慢のために、防災グッズまで断舎利して自分の命をリスクに晒すのは馬鹿げています。

ミニマリストとして何かを達成する

先にも書いたように、ミニマリストとして何かを達成してみるのは大切だと思います。開いた時間で資格勉強でもいいですし、趣味に没頭したり仕事を頑張ってもいいかもしれません。

ものを少なくして達成できたことを体験することで、「こいつは違うぞ」と思ってもらえるかもしれません。変わったあなたを見て、向こうが尋ねてきたら初めて「ミニマリスト」とカミングアウトするのが自然な流れです。

それは美しさや、経済的な豊かさであるべきだと考えています。

単純にストレスから開放されたとか、物に執着しない自分カッコイイなんて姿勢は宗教臭くてついてけません。

人に認められる何かを成し遂げず、世間を見下してる人ほどみっともないものはないですからね。

他者を尊重する

先にも触れましたが根拠の無い自信や解脱感から容易に他者の生き方やスタイルを否定する罠に陥りやすいからこそ、他人の考え方を尊重してあげるべきです。

ミニマリストはあくまで現代社会のおこぼれに預かっている存在として、常に謙虚に生きていかないと、モノにまみれた社会云々というお説教から始まる宗教臭さが爆発します。

尊重するというのは無関心とは別です。世の中の仕組みや、モノが生み出されて流通するシステム。そこの関わってくる金の流れ。それらを深く知ることが、他者の消費生活や労働観への理解と尊重につながると考えます。

空っぽの部屋の写真や文集をありがたがる前に、世の中の仕組みを深く知る努力が大切ではないのでしょうか?

まとめ

ミニマリストになると陥る5つの弊害とその対策方法を経験を踏まえて書きました。

ミニマリストを目指す人にとって一つの助けになれば幸いです。