上場企業のメリットは安定だけじゃない?みんな一部上場に就職したがるワケ。

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東証一部上場企業。日本の労働者ヒエラルキー最上位に位置して、その名刺を持っているだけでステータスになる就職先です。

長引く景気低迷と雇用情勢の不安定化から、就活生の多くは企業に終身雇用を望んでおり、上場企業の人気は高止まりしています。終身雇用崩壊やリストラリスク等、ひとつの企業にこだわって留まるリスクに警鐘を鳴らす人もいますが、そのリスクは彼らの指摘する大企業よりも、中小ベンチャーの方がずっと高いことは論を待ちません。

いまなお上場企業に就職し勤め抜くことは人生最大のリスクヘッジであり、多くの人はそこから自分の自由な時間や幸せ、豊かさを模索していくことが、今でも最も安定した生活を約束してくれます。

外から見える楽しさは本当か?

人は、自分の任された場所でやりがいや達成感を見つけていくものです。自分が楽しいと思う仕事をしたい気持ちは、楽しくない仕事やつまらない仕事は振るってほしくないワガママにも受け取れます。どんな企業についたって、常に楽しい仕事を任されるわけではありません。それは上場企業も同じです。それと同じように、上場企業でもやりがいや達成感のある仕事を任せてもらえますし、努力次第で数千万円から数億円規模の仕事だって振り当ててもらえます。

大企業だからベンチャー中小だから、という括りで仕事のやりがいや充実感は変化するものではありません。中小はユティリティプレイヤーとして、仕事が割り当てられやすいだけであって、大企業だからそのチャンスが巡ってこないという訳ではありません。

むしろ、楽しさややりがいを全面に押し出してくる企業には注意してほしいくらいです。極論やりがいでしか自分たちをアピールできないということですし、やりがいや成長を免罪符に苛烈な労働を要求されることもあるでしょう。楽しければやりがいがあれば、何をやらせてもいいと考えている可能性もあります。

そこからスキルや人脈を作って、将来独立したい人なら恐れず挑戦するべきですが、ビジョンも哲学もなく仕事に楽しさを求めるだけの人間であるなら、大企業の窓際でぼんやり過ごしてアフター5を本気に生きる方が幸せかもしれませんよ。

上場企業のブランド力を纏う

大企業に勤めてると合コンでモテるというのは、話半分に聞いておいてください。むしろ女性よりのその両親にモテます。ご挨拶でお父さんに土下座する時、勤めてる企業をお伝えするだけで空気が変わりますよ。特に教師や公務員といったお堅い方ほど、大企業というブランド力を高く評価してくれます。

企業という存在が、自分自身に社会的なステータスと信用力を与えてくれているのです。この信用力は人が手に入れられる肩書の中で最も影響力のある肩書の1つです。

根強く残る終身雇用

終身雇用は崩壊したと、バブル崩壊後の就職氷河期から同じことが延々と言われている大企業の雇用事情。実態は、今なお終身雇用を前途とした賃金カーブと、一度雇用したら簡単には解雇できない労使協定が存在。そこにあるのは仕事ができない人にも最低限の権利が保証され、仕事が出来る人はどんどん出世が望める労働者に限りなく優しい環境です。

会社名があなたの信用力に

中小零細と大企業の肩書で最も差を感じるのが、住宅ローンの審査の時です。

上場企業勤めは、数年の勤務実績と源泉徴収票1枚で簡単にローンが通過します。銀行も貸し倒れがなく、費用回収しやすい上場企業のサラリーマンにお金を気前よく貸してくれます。

逆に、中小勤めだと審査に手間取ったり、貸付拒否をされて悔しい思いをする人もたまにいますね。自営なんて年収1,000万超えていても、何年もその銀行と取引があって担当者と懇意にしておき、会社が健全経営していることを証明して、やっと審査が通過するくらい厳しい取り扱いをされます。

クレジットカードも同じです。大企業>中小>零細>自営の順にカードが発行されにくくなりますね。大企業勤めなんて名前と会社名書いて申込書を送れば、頼んでもいないのに何十万円のキャッシング枠をつけてカードを発行して来ますからね。そしてしつこく、枠を増やさないかと電話してきます。

このように大企業という肩書を持っているだけで、能力もないのに金融面でも信用力が高まるのですから、才能のない凡人こそ石にかじりついてでも大企業に務めるべきなのです。

やりがいや達成感は、あなたの信用力を担保してくれるだけの力にはなってくれないのが現実なのです。

安定から見えてくるものもある

無理して夢は追わずとも、安定した地位につきながらチャンスを伺う生き方も良いのでは?と提案しています。

安定した雇用と、収入、社会的にソコソコ認められたステータスを若輩者にも与えてくれる上場企業という肩書は、人によっては退屈な生き方でしょう。

しかしそれは、働くことだけに刺激を求めている生き方であって、悪い生き方ではないけど、器用な生き方でもありませんね。一つのことにしか情熱や熱意を注いではいけないなんて、誰も決めていませんし、自分の鬱屈を仕事以外にぶつけていはいけないなんて法律もありません。

仕事という人生の母船を乗りこなしつつ、不完全燃焼の情熱を投資や奉仕活動、趣味に向けることだって出来ます。そういう生き方は、嵐にも負けない母船に乗っているからこそできる生き方です。もちろん本業も本気で取り組むことが前提ですよ。多角的な刺激を受けることで、本業にも趣味にも新しい知見を得られます。

いろいろな自分を試して、壁に押し返されたらスタート地点に戻る、どこかでブレイクするーできるチャンスが見えてきたなら一気にそちらへ舵取りして乗り換えてしまえばいいのです。一点主義で一つのことにのめり込んでいくだけが、キャリアアップではありません。一点突破を目指した人の多くは途中で自分の限界を感じて前よりもひどい状態で働かなくてはいけなくなるのですから、セーフティーネットを確保した上で立ちまわるのもひとつの戦略です。

だからこそ就活戦線を戦う人は、自分の目指す将来のために新卒というジョーカーを大切に使ってください。上場企業を目指すのも、ベンチャーに勤めて独立を目指すのも、切り札の使い方次第でその結果は大きく変わります。