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圧倒的意識高い系っ?カイジは最高の自己啓発本となるか?

賭博黙示録 カイジ 1

ざわざわ、焼き土下座、圧倒的感謝っなど、数々の名セリフと名シーンを生み出した名作カイジ。

久しぶりにカイジを読んで、改めてその洞察と理論の鋭さに驚かされます。

成功する人間、勝つ人間、勝負の鉄則など作中に登場する様々な登場人物の考え方や思想が秀逸で、読めば読むほど引き込まれる悪魔の魅力を持ちます。

この漫画の、根底にある考え方や行動理念は、半端な自己啓発本やセミナーなんかよりずっと価値のあるモノといえますよ。

主人公は圧倒的ダメ人間

主人公のカイジは、完璧なまでのダメ人間。

なのですが、勝負ごとになると天才的なひらめきと脅威の行動力で可能性を積み上げついには勝利をもぎ取る痛快な人物。

ギャップが魅力的な人物ですが、注目すべきは勝利のために可能性を積み上げていく周到さ。

あらゆる可能性を検討して実行に移す姿は、実業家ややり手のビジネスマンの姿と非常に似ています。彼らも可能性を常に検討し積み上げていき、勝機が自分に傾いた時に大きな行動に移ります。

カイジをビジネスのロールモデルにするのは間違いですが、彼の勝利への飽くなき可能性の積み上げは、どの世代でも見習うべき姿だと考えます。

行動の鬼

カイジ君は、自堕落なダメ人間ですが、勝利のためなら行動の鬼になります。

地下帝国編で沼攻略のために、制限時間の限られた地上生活のほとんどを使って、ひたすら台を何時間も眺め続けるという常人離れした行動を起こしました。それも仇敵一条のいるお店に乗り込んでまで。

ストーリーの都合上そこから沼攻略の細工を思いついて行動に移すのですが、さんざん煮え湯を飲まされた人物まで引き込んで軍資金の融資を引き出します。勝つためなら悪魔にでも魂を売る行動力こそカイジが奇跡の勝ちをもぎ取る説得力になっています。

カイジは作中でも天才的な発想や土壇場の度胸が注目されがちですが、それに裏打ちされた行動力の凄まじさが彼の勝利に説得力を与えているのです。

行動する人が成功するのは、どの世界や業界でも同じです。

作中の鋭い考察

カイジ以外にも多くの魅力的なキャラクターがこの作品を彩りますが、彼らの思想や行動理念は時に鋭い示唆に満ちています。

個人的に大好きなのは、E班班長で守銭奴の大槻。

「食べ終わったら........奴はとりあえず満足して....こう考えるだろう....明日からがんばろう...明日から節制だ....と....!が..........その考えがまるでダメ..........「明日からがんばろう」という発想からは....どんな芽も吹きはしない..........!そのことに20歳を越えてまだ......わからんのか........!?明日からがんばるんじゃない........今日......今日だけがんばるんだっ............!今日をがんばった者..........今日もがんばり始めた者にのみ......明日が来るんだよ......!」
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作中では欲望に負けて散財するカイジを見てほくそ笑む大槻とセットで描かれて、ダメ人間カイジを嘲るセリフですが、このセリフにドキッとする人は多いはず。

仕事に勉強、運動、ダイエットetc…。

このセリフのシーンは実に嫌らしいのですが、セリフだけ取り出せば自分への激励に感じる人もいるのではないでしょうか?実際俺はこのセリフを読んで物凄いやる気が出ました(笑)今頑張れば必ず成功が掴めるんだという風にも読めるんですからねー。言わせたキャラが悪かっただけ。

カイジは自己啓発本に勝る?

ただのマンガで読めば絵柄が独特な作品程度ですが、作者のもつ社会や思想への着想や鋭い切り込みは、自己啓発本にも負けない実践的な内容です。

時には娯楽書として、時には自分を景気付けるための自己啓発本として、絵柄や題材が嫌いな人でも読んでみたらどうでしょうか?

ざわざわ、焼き土下座目当てでも十分読む価値のある娯楽漫画ですしねー。上に書いてあるような意識高い系ぶって読まなくても楽しめる懐の深さはカイジの魅力ですよ。