消費者金融に借入があると住宅ローンの審査に通りづらい?

消費者金融でお金を借りていると住宅ローンの審査に落ちると聞いたことがありませんか。

これからマイホームの購入を考えているならとても不安になるはずです。

結論から言うと、消費者金融からお金を借り入れていても住宅ローンの審査に通るケースはありますが、審査に不利になることは間違いありません

また過去にお金を借りていた場合でも、返済が滞ったことがあったり解約をしていなかったりするなら審査に影響する可能性があるので注意してください。

消費者金融を利用中もしくは過去に利用していたとしても、住宅ローンの審査に通過しやすくなるポイントを抑えれば、マイホームの夢に一歩近づくはずです。

消費者金融での借り入れは住宅ローンの審査で不利になる?

消費者金融で借り入れがあっても審査に通過する可能性はありますが、借り入れがない場合に比べると不利になります。

では実際に消費者金融を利用することで住宅ローンの審査にどういった影響があるのかをまとめました。

返済比率が重視される

住宅ローンの審査で重視されるのは返済比率(返済負担率)です。

返済比率とは年収に占める年間返済額の割合のことで、住宅ローンを借りる金融機関にもよりますが約30%以下が審査通過の目安とされています。

返済比率が基準値を超えると返済が滞るリスクがあると判断され、審査に落とされたり希望額よりも少ない金額での融資となったりします。

返済比率は他の借入金も含めて計算するので、借り入れ額が多いほど審査に不利になるのです。

返済負担率の計算方法は「年間返済額÷年収×100」となり、たとえば年収400万円で借入金4,000万円を35年ローンで申し込む場合の返済負担率は以下のように求められます。

(40,000,000円÷35年)÷4,000,000円×100=28.57%

さらに消費者金融での借り入れが200万円あったとすると、

(42,000,000円÷35年)÷4,000,000円×100=30.00%

になります。

この数値だと住宅ローンを借りる銀行の審査基準が返済比率30%以下ならギリギリですし、車のローンやクレジットカードのリボ払いなどがあったら審査に落ちてしまうでしょう。

過去に利用していても解約済なら審査に影響がない

過去に消費者金融でお金を借りた経験があっても、すでに完済していてカードローン自体を解約していれば住宅ローンの審査に影響することはありません。

ただし、完済していても解約をしていなかったり、完済するまでの間に支払いを滞納したりした場合は住宅ローンの審査で不利になる可能性があるので注意してください。

その理由は後ほど解説します。

借入中だと審査に影響がある

消費者金融の借入残高がまだあり返済中なら住宅ローンの審査で不利になります。

これは前述したように借入金があることで返済比率が上がってしまうためです。

ただし消費者金融の借入金が少額だったり、住宅ローンの借入希望額に比べて年収が高かったりするならば、審査に通過する可能性はあります。

住宅ローンの審査でよくある疑問・質問

住宅ローンに関する疑問や質問をいくつかピックアップしましたので参考にしてください。

審査時に借り入れがあることは隠せない?

住宅ローンは申し込み者が申告した内容を基に審査を進めます。

そのため申し込み時に消費者金融からお金を借りていることを隠せば住宅ローンの審査に通過するのではと考えることがあるでしょう。

しかし、消費者金融から借り入れがないと嘘の内容を申告しても絶対にばれてしまいます。

なぜなら住宅ローンの審査時には信用情報機関へ申し込み者の信用情報を照会するからです。

信用情報機関には消費者金融やクレジットカードなどの申し込み履歴や利用履歴、返済履歴などが登録されているため、住宅ローンの審査時にはいつどこの消費者金融で申し込みして、いくら借り入れていくら返済しているかまで分かってしまうのです。

もちろん他社借り入れ状況だけでなく、勤続年数や年収などについても虚偽申告が見つかれば信用を失うことになるので絶対にやめてください。

家族が借入中だと審査に影響はある?

自分自身は消費者金融でお金を借りていないが、配偶者が借り入れしている場合は住宅ローンの審査に影響するのか気になるでしょう。

結論から言うと、審査時に信用情報を照会されるのは申し込み者だけなので、家族の借入金は審査に影響しません

ただし、共有名義にしたり連帯保証人にしたりする場合には、配偶者の借り入れ金も審査に影響を与えると理解しておきましょう。

消費者金融の借り入れ金を住宅ローンとまとめることはできる?

住宅ローンの金利が1.0%前後なのに対し消費者金融はほとんどが18.0%とかなり高金利なので、消費者金融の借入金と住宅ローンをまとめれば利息を抑えられると考えることがあるでしょう。

しかし住宅ローンに消費者金融の借り入れ分を組み込むことはできません。

なぜなら住宅ローンは以下のような住居取得を目的とした資金にしか使えないと決まっているからです。

  • 住宅の新築・増改築
  • 土地の購入
  • 建売または中古住宅やマンションの購入

銀行や住宅ローン商品によっては引っ越し費用や家具・家電の購入費用などの諸費用も含まれていることがありますが、資金使途に認められている項目以外で使うことはできません。

仮にカードローンや車のローンなどを住宅ローンにまとめて返済した場合は資金使途違反となり、最悪の場合一括返済をしなければならず家を手放すしかなくなってしまいます。

金融事故を起こしていたら審査に通らない

消費者金融の借入金を全額返済していても、金融事故を起こして信用情報機関に事故情報が記録されブラックリスト入りしていたら信用に欠けるため住宅ローンの審査は通りません。

金融事故に該当するのは以下のような行為です。

  • 自己破産や任意再生などの政務整理をした
  • クレジットカードの支払いを遅延または延滞した
  • 消費者金融や銀行カードローンの返済を遅延または滞納した
  • 携帯端末代金の支払いを遅延または滞納した
  • 奨学金の返済を遅延または滞納した

過去に債務整理をしたり料金の支払いやカードローンの返済を61日以上滞納したりした経験がある場合は、問題が解決してから5年から10年は情報機関に事故情報が記録されるので住宅ローンの審査に通りません。

また料金の支払いやカードローンの返済を遅れたのが数日であっても1年に複数回あるとブラックリスト入りしてしまうこともあります。

こういった金融事故を起こした場合で住宅ローンを申し込みたいなら5年から10年経過し事故情報が消えるまで待つしかないのです。

フラット35なら審査に通過する可能性がある

住宅ローンのなかでもフラット35なら消費者金融の借入残高があっても審査に通る可能性があります

フラット35とは銀行と住宅金融支援機構が提携して提供している長期固定金利の住宅ローン商品です。

フラット35は返済負担率を公表していて、年収400万円未満なら30%以下、年収400万円以上なら35%以下が申し込みの基準となっています。

審査が厳しい銀行では返済比率が20%以下や25%以下となるので、比較するとフラット35は他に借入金があっても審査通過の期待ができることが分かります。

フラット35は上記の返済負担率を満たしていること以外にも申し込み条件があります。

  • 申し込み時の年齢が70歳未満
  • 日本国籍がある、永住許可を受けているまたは特別永住者である

消費者金融での借り入れが不安でも、これらの条件を満たしているならフラット35での申し込みを検討してみると良いでしょう。

住宅ローンの審査を通過しやすくする方法

消費者金融を過去に利用したことがある、または利用中の場合に住宅ローンの審査を通過しやすくする方法をまとめました。

借り入れ金を少しでも減らす

住宅ローンの審査で返済比率が重視されることから、借入金残高が少ないほうが返済比率も下がり審査通過の可能性が高まります。

全額返済できるならそれが最も良い方法ですが、難しいなら少しでも返済をして借入金を減らしておきましょう。

年収400万円で4,000万円の住宅ローンを35年で返済する場合の返済負担率は28.57%で、仮に消費者金融で200万円の借り入れがあったら30.00%でした。

他にも車のローンやクレジットカードのリボ払い、携帯分割代金などがあるとさらに返済負担率が上がってしまうので、消費者金融での借り入れは1万円でも数千円でも多く減らしておくのがおすすめです。

完済し解約しておく

消費者金融の借入金を全額返済して安心していることがありますが、住宅ローンの申し込み前に解約手続きまで終わらせておくとより審査通過に近づきます

なぜなら完済しても借り入れ可能枠は残ったままになり、解約しない限りいつでも借り入れができる状態にあるからです。

いつでも借り入れができる状態よりも解約して借り入れができない状態のほうが審査には有利です。

ただし解約したことが情報機関へ反映されるまでに時間がかかることがあるので、解約後すぐに住宅ローンを申し込むなら解約証明書(完済証明書)を発行してもらいましょう。

解約証明書は利用していた消費者金融に電話で申請すれば用意してもらえますが、郵送されるケースが多いので届くまでには数日かかります。

金融事故を起こしたなら事故情報が消えるのを待つ

金融事故を起こした経験があるなら事故情報が消えるのを待つしかありません。

情報機関で事故情報が保有される期間は、登録先の情報機関と金融事故の内容によって異なります。

日本にはCICとJICCとKSCという3つの信用情報機関があり、それぞれ加盟している業者が異なるのですが、複数の信用情報機関に加盟しているケースもあります。

3つの信用情報機関ごとに事故情報の最長保有期間をまとめました。

信用情報機関名 CIC JICC KSC
自己破産 5年 5年 10年
支払いや返済の滞納 5年 5年 5年
強制解約 5年 5年 5年

CICとJICCはどういった内容でも最長5年経過すれば事故情報は消えますが、KSCのみ自己破産は最長10年と長い期間消えることはありません。

過去に金融事故を起こしたならこの保有期間が過ぎてから住宅ローンを申し込みましょう。

まとめ

消費者金融で借り入れをしていても住宅ローンの審査を通過する期待はできますが、借り入れがない場合に比べると不利になってしまいます。

住宅ローンの審査を通過するためには返済比率が重視されているため、消費者金融の借入残高を少しでも減らしておくのがおすすめです。

また、消費者金融での借り入れを完済していても、解約手続きまでしておかないと融資枠が残ったままになるので住宅ローンの審査に影響する可能性があります。

もう借り入れる予定がないなら電話で解約手続きをしてください。

もしも過去に金融事故を起こした経験があるなら事故情報の最長保有期間5年または10年を過ぎるまでは住宅ローンの審査は落ちてしまうので、時間が経つのを待つしかありません。

ブラックリストしているからと悲観的にならず、事故情報が消えるまでの間にマイホームの頭金を貯める準備ができると前向きに捉えましょう。

消費者金融は金銭的に困った際に手軽にお金を借りれる便利なサービスですが、住宅ローンの審査には不利になるので借り過ぎには注意して、毎月少しずつでも多めの返済を心掛けるようにしてください。