カードローンの最低返済額は月々どのくらい?返済が楽な会社を徹底比較

カードローンを初めて利用するときに最も不安な点の1つが、

  • 月々どのくらい返さなければならないのか?
  • 楽に返済ができるのか?

というところです。

ここ最近のカードローンの広告を見ると、「返済は月々2,000円から」などと、借りやすく返しやすそう、ちょっとだけ借りるなら大丈夫かなとついつい思ってしまうかもしれません。

実際に、銀行カードローンについての全銀協の調査消費者金融についての金融庁の調査を見ても、借入残高が30万円未満の人の割合が最も多く、「ちょっとだけ」「生活費の足しに」と借りている人が多いことがうかがえます。

銀行系カードローンや消費者金融の最低返済額と、もし最低限にしか返さなかった場合の返済回数と元本と利息を合わせた返済総額を計算しました。

実際に計算してみると、たとえ借入額や月々の返済額が自分の返済能力に対して「ちょっと」だったとしても、利息が多くかさむために最終的に返さなければならない金額は多く、返済期間も非常に長いことがわかります。

長すぎる返済期間は返済自体が苦痛になってしまう原因でもあるので、かかる期間を短くし利息をおさえるコツも合わせて紹介します。

カードローンの最低返済額とは

カードローンでいう「最低返済額」とは、月々に返済しなければいけない最低限度の額です。

多くの業者では、借入残高が増えれば増えるほど最低返済額も上がっていく仕組みになっています。

たとえば借入残高が5万円の場合は最低返済金額が3,000円だったのに、残高が20万円になったら返済額は1万円となるという形で順次スライドしていきます。

逆にこれまで40万借りていて最低返済金額が2万だったとしても、頑張って返済して30万円を切れば15,000円に減る場合もあります。

ただこの最低返済額は月に1回で返し切る必要は必ずしもなく、その月の最低返済額が1万円の場合、引き落とし日の10日前に4,000円、3日前に6,000円を随時返済で返せば通常の返済日には引き落としがかからなくなるという方法をとっている企業もあります。

三菱UFJ銀行や三井住友銀行のカードローンはその一例で、逆にみずほ銀行は随時返済をしても約定日に引き落としがかかります。

そして消費者金融のアコムはその中間で、借り手の申し出によって返済額を減らすことができます。

利息は日割りでかかりますから、1日でも早く、1円でも多く繰り上げ返済すればそれだけ最終的に支払うトータル金額は減るのです。

利息の仕組みを理解して、最低返済額を約定日に返すだけという状態にならないよう、借りるときに考える必要があります。

返済額と返済回数、そして利息の関係

カードローンの返済方式の殆どはリボルビング払いです。

これは毎月定額を返していく方法ですが、実際には返済日までにかかった利息と元本の一部を少しずつ返しています。

たとえば10万円借りて月の返済が5,000円の場合、100,000÷5,000=20回支払えば終わりというわけではありません。

年利14.6%で1ヶ月借りた場合の利息は、概算で100,000×0.146÷12=1,217円です。

その場合5,000円の返済額の内訳は元本3,783円、利息1,217円になります。

その後1回も新たな借入をしなかったとして、また完済まで変わらず月に5,000円ずつ返し続けると仮定した場合、元本と利息の概算は次のとおりです。

元本 利息
1回目 3,783円 1,217円
2回目 3,829円 1,171円
12回目
(1年)
4,322円 678円
23回目 4,937円 63円
24回目 283円 3円

無利息で返したとすれば20回で返せますが、実際には24回返済が必要なことがわかりますね。

そして、残高が減れば減るほど1回の返済額のうちに占める元本の金額が上がります。

同じ5,000円ずつ返していても、元本に充当される額が初回は3,783円に対して23回目は4,937円と、返す金額の意味が違います。

つまり借りれば借りるほど、利息ばかり返していて借金は減らないという状態に陥ってしまうのです。

 

残高に対する利息は、月々の返済額がいくらであろうと変わりません。

10万円借りているならば、2,000円返すのと5,000円返すのとでその中に占める利子の金額は同じ1,217円なので、返済額の中に占める元本の割合は減ります。

つまり5,000円を返すならば原本は3,783円減りますが、2,000円しか返さないならば783円しか減りません。

裏を返すと、10万円借りてたった800円弱しか返していないのです。

そのため返済額を低く抑えると返済回数は多く、支払う利息の額も多くなっていくのです。

返済額が多いのは一見厳しく見えますが、トータルで見ると実はユーザーに優しいのです。

銀行系カードローンの月々返済額まとめ

銀行が貸付をするカードローンの最低返済額をまとめました。

10万円を借りたときの最低返済額には差がありますが、100万円を借りたときの返済額にはそれほど大きな差はありません。

銀行名 10万円 100万円
三菱UFJ銀行
(バンクイック)
2,000円 20,000円
三井住友銀行 2,000円 15,000円
楽天銀行 2,000円 15,000円
みずほ銀行 10,000円 20,000円
セブン銀行 5,000円 15,000円
イオン銀行 3,000円 15,000円
東京スター銀行 5,000円 25,000円

借入額が10万円のとき

よく広告を見かける三菱UFJ銀行のバンクイックや三井住友銀行、楽天銀行は2,000円とかなり低めに抑えられている一方、みずほ銀行は10,000円と高いです。

ただ10万円を借りて1万円ずつ返す場合は11回で返せるだけでなく、みずほ銀行は随時返済をしても約定日の返済がかかりますから返済ペースは他の銀行より早く、支払利息の総額は安くなります。

借入額が100万円のとき

100万円を借りたときの返済額は銀行によって、15,000円から25,000円とばらつきがありますが、多くは15,000円です。

三井住友銀行と楽天銀行はほぼ同じ内容ですから、普段から三井住友銀行を利用していて使い勝手がいい、住宅ローンを契約しているので利率を減らしたいというのならば三井住友銀行、楽天ポイントを貯めたい、あるいはネット銀行で借りることでできるだけ家族にバレるリスクを減らしたいと考えるなら楽天銀行というように考えてもいいでしょう。

100万円以上借りるということが想像つかないかもしれませんが、ちょくちょく借りていく間に100万円以上に膨れ上がるということはよくありますから、今後銀行カードローンの利用を考えているなら気をつけましょう。

消費者金融系カードローンの月々返済額まとめ

消費者金融のカードローンは、金利が銀行より高く10万円を借りている場合は18%、100万円を借りている場合は15%程度です。

なおジェイスコアは別で、おおよそ12%程度になります。

アコムは他と比べて安めに設定されていますし、同じ三井住友系列のプロミスとSMBCモビットは残高に対する返済額も同じです。

金融機関名 10万円 100万円
アイフル 4,000円 26,000円
アコム 3,000円 21,000円
J.Score
(ジェイスコア)
4,000円 678円
レイクALSA 4,000円 23,000円
プロミス 4,000円 26,000円
SMBCモビット 4,000円 26,000円

なおアコムの場合、極度額が30万円以下の場合は最低返済額が5,000円になります。

借入額が10万円のとき

借入残高10万円の場合の返済額は銀行よりやや高めで、これは金利の差によるものと考えられます。

そしてどこの金融機関もほぼ横並びですので、借りやすさや返しやすさだけで選ぶことができます。

借入額が100万円のとき

アコムの最低返済額が一番安いですが、それでも銀行より高くなります。

J.Score(ジェイスコア)は利率が他の消費者金融より低い分返済額は安めですが、やはり銀行より高いのは変わりありません。

ただ利率が低いので、トータルの返済額をなるべく抑えたいならJ.Scoreで契約するのも1つの手です。

アイフル、レイクALSA、プロミスとモビットはほぼ横並びです。

30日間無利息の設定などの差がありますので、比較的長く借りる、無利息期間内に返したい、返済のためのATMが多いなど自分の事情にあった会社を選びましょう。

主要なカードローンの完済までの返済回数と総額を比較

各カードローンを10万円借り入れて最低返済額で返し続けたと仮定して、返済回数と全体的な返済額を計算しました。

金融機関名 返済回数 返済総額
三菱UFJ銀行
(バンクイック)
77回
(6年5ヶ月)
154,952円
三井住友銀行 78回
(6年6ヶ月)
154,144円
楽天銀行 78回
(6年6ヶ月)
154,520円
みずほ銀行 11回
(11ヶ月)
108,274円
セブン銀行 24回
(2年)
115,506円
イオン銀行* 74回
(6年2ヶ月)
136,030円
東京スター銀行* 24回
(2年)
115,286円
アイフル 32回
(2年8ヶ月)
126,312円
アコム
(極度額30万円以下)
25回
(2年1ヶ月)
123,709円
J.Score
(ジェイスコア)
29回
(2年5ヶ月)
115,716円
レイクALSA 32回
(2年8ヶ月)
125,711円
プロミス 32回
(2年8ヶ月)
125,864円
SMBCモビット 32回
(2年8ヶ月)
126,260円

*:シミュレーションができなかったため当サイトで計算

最低返済額で返し続けると仮定した場合、最低返済額が小さい銀行系カードローンのほうが返済期間は長く、かつ返済総額も大きくなります。

逆にみずほ銀行など最低返済額が高く、かつ残高が減っても約定返済額はこれ以上減らない銀行は返済ペースが早いです。

消費者金融は返済金利が高いので多く返さなければならないイメージがありますが、実際にはどの消費者金融でも極度額が30万円以下の場合ないし残高が一定以下の場合は3年以内で返すという規定があるので、金利が高くてもトータルの返済額は低いです。

金利14.6%で月々2,000円ずつ6年半かけて返すより、金利18.0%でも月々4,000円ずつを2年8ヶ月で返すほうが長い目で見れば楽なのです。

もし消費者金融で借りること自体に抵抗があるのなら、銀行で借りて返済ペースを上げるという方法を取るのがおすすめです。

最低返済額しか返済しない場合のデメリット

すべてのカードローンには毎月の最低返済額が設定されています。

これは約定日、つまり毎月の返済期日までに返していなければならない金額のことで、もし随時返済などで最低返済額以上に返していないのならば、約定日に返済用に登録した口座から引き落としがかかったり、遅延損害金が発生したりします。

多くのカードローンでは、借りている金額の元本に応じて最低返済額が変化しています。

例えば三井住友銀行カードローンの場合、借入残高が10万円以下の場合の最低返済額は2,000円、その後残高が10万円増えるごとに2,000円ずつアップします。

月々2,000円ずつでいいよと言われれば、とても楽に返済できそうだと思うかもしれません。

ちょっとお菓子や飲み物を節約すれば、2,000円という金額は簡単に捻出できます。

しかしいくら借りている残高が少なくなっても、最低返済額しか返さないでいることは考えものです。

10万円を年14.6%の利息で借り、月々10,000円、5,000円、2,000円返すものとして返済金額と返済期間を比較しました。

月々の返済額 返済期間  総額
10,000円 11回
(11ヶ月)
107,286円
5,000円 24回
(2年)
115,286円
2,000円 78回
(6年6ヶ月)
 155,022円

この表から、最低返済額の2,000円しか返さなかった場合にかかる期間と利息の金額は、5,000円や10,000円を返し続けたときより格段に長く、そして多くなることがわかります。

返済期間が延びる

1回に返す額が少なければ少ないほど完済までの期間が延びるのは、わり算ができれば簡単にわかります。

しかし10万円を1万円ずつなら10回、5,000円ずつなら20回、2,000円ずつなら50回というわけにはいかず、実際にはそれより長い期間を要するのです。

 

2,000円ずつ返す場合返済回数は78回、つまり6年6ヶ月です。

雑にいうならば、そのうち50回は元本を返すため、残りの28回はただ利息を払っているだけの期間ともとらえられるでしょう。

 

ここまで差が出る理由は、リボルビングという返済方式にあります。

前述の通り10万円を1ヶ月借りたときの金利は1,217円ですから、2,000円返済したとしても実際には783円しか返していないのです。

追加の借入がなければ、元本99,217円について次の約定日に係る利息が1,207円ですから、残高はたった793円しか減りません。

ちなみにこの場合、22回めの返済になって初めて元本に充当される額が利息を上回ります。

このあとは元本の減るペースが徐々に速くなるので、ちゃんと返せているという実感が出てくるでしょう。

しかしそれまでは、返しても返しても借金が減らないという苦しさを味わうことになります。

6年6ヶ月という長い期間には、ライフイベントが何度か起こるでしょう。

たとえば新しく車や家を買いたいといった場合、カードローン、特に消費者金融で借りた残高があると不利になることがありますから、返済期間の長さを常に計算しておきましょう。

利息がかさむ

最低返済額しか返さないデメリットはもうひとつあり、それは返済する利子の総額です。

たとえば10万円借りたのを毎月1万円ずつ11回で返済した場合の利息の総額は7,286円、5,000円ずつ24回で返済した場合は15,286円ですが、2,000円ずつ78回で返済した場合は55,022円もかかるのです。

10万円借りて5万円以上の利息をつけて返さなければならないと言われたら、多すぎると感じますよね。

55,000円もあれば旅行にいけますし、そこそこ良いバッグやお財布、服も買えますが、そのお金を全額ただ銀行や消費者金融に差し上げると考えると虚しさを禁じえません。

どんな必要があって借りたにしろ、利息は返す方にとっては無駄なお金でしかありませんから、極力減らすようにしましょう。

返済額を減らすために

月々の返済額が少なければそれだけ利息が多くなりますし、返済期間も延びます。

しかし同じ返済期間を要しても、利息がかさんでしまう返し方があるのです。

10万円を年14.6%で借りた場合、

  • 残高が5万円を切る12ヶ月目までは月5,000円ずつ、以降は月2,000円ずつ返す
  • 最初の2年間は月2,000円ずつ、経済状況が好転したので以降は月5,000円ずつ返す

の2つのパターンでは、前者が41ヶ月、後者が42ヶ月と偶然にもほぼ同じ返済期間です。

しかし利息の総額は、前者が20,781円、後者が35,425円と約15,000円もの差が出ます。

カードローンに限らずすべてのローンでは、残高が多ければ多いほど、返す期間が長ければ長いほど、利息を多く払うことになります。

そのため残高が多いけれど返済額が少ないうちはほとんど残高が減らず、利息ばかりかさんでいくのです。

ですから利息の総額を抑えるならば、残高をできるだけ減らすようにすべきです。

残高を増やさないポイントを2つ紹介します。

随時返済、増額返済を併用する

借金を効率的に返すなら、お金があるときに返すのが鉄則です。

最低返済額だけ返済しているようでは利息が多くなりますから、少し余裕があるときには随時返済をしましょう。

多くのカードローンでは、コンビニATMからいつでも返済できます。

どうしても難しい場合でも、最低返済額に利息を上乗せすると元本を減らすペースを上げられます。

たとえば10万円を年14.6%で借りた場合の最低返済額が2,000円なら、初回は3,000円程度返すとその差額分だけ元本の返済に充当されます。

必要に応じて借りる

利息は残高が多いほどかかります。

つまり、「必要になるかもしれないから」という理由でお金をまとめて借りて手元に置くと、その間に利息はどんどん増えていくのです。

そのため、払う利息の額をできるだけ少なくするならば、どうしても要るときに、その時必要なギリギリの額を借りるようにしましょう。

一気に10万円を借りて手元にプールした場合の利息と、月々1万円ずつ借りてトータル10万借りたときの返済回数と利息を比較します。

返済回数  利息総額
初回に10万円借入
月の返済額5,000円
24回
(2年)
15,286円
(115,286円)
毎月1万円ずつ10回借入
月の返済額5,000円
22回
(1年10ヶ月)
8,383円
(108,383円)

この2つを比べると、トータルでは同じ10万円を借りていますが払う利息は半額強で済みます。

カードローンでお金を借りなければならない状況では厳しいかもしれませんが、「少なく借りて多めに返す」が鉄則ですから、まとまった額を借りることは極力しないようにしましょう。

まとめ:最低返済額が安いからといって返しやすいわけではない

現在借りられるカードローンでは「返済は月々2,000円~」などと謳っており、一見楽に返せそうなイメージがあります。

月に2,000円なら毎日のランチのグレードを下げるだけでも楽に捻出できる額なので、より気軽に大きな金額を借りてしまうかもしれません。

しかし最低返済額だけしか払っていかない場合、実際のところ月々の返済額のうち半分以上が利息の支払いで、元本はほとんど減っていかない、場合によっては数百円しか減らないのが現実です。

これでは返済に非常に長い時間がかかるだけでなく、本来自分のために使えたお金をも利息として払わなければならなくなります。

10万円を返すのに6年半という歳月と、5万円以上の利息を払うのはあまり賢い選択とは言えませんよね。

そのため最低返済額だけ返すのはどうしても返済に回すお金が手元にないときにし、それ以外のときは月に1,000円でも多く随時返済をしていきましょう。

多くのカードローンでは銀行やコンビニのATMで返済できますから、少しお金が余ったなというときはその足で返済に行くのが一番です。

また、まとめて借りず必要に応じて少しずつ借りることで、はじめから残高を低く抑える方法もあります。

残高があればあるほど利息も高いので、多めに返すことで残高を減らすだけでなく、同じ10万円を借りるのでも一気に借りるのではなく分けて借りることで利息を減らすことができます。

それが返済期間を少しでも縮め、全体の返済額を下げる唯一の方法です。