最近はお洒落で安い子供の靴が増えてきました。定番のキャラクターシューズから、大人顔負けのブーツまであります。しかし、子どもの足の成長は入れ物である靴の良し悪しで決まると言っても過言ではありません。オシャレなデザインや手頃な値段だけで靴選びをしていると、外反母趾や偏平足を始めとする多くの健康リスクを抱える可能性もあります。
足腰の健康は人の生活の土台です。そしてその土台の基礎を作るのは、親の責任と言っても過言ではありません。年間数千円の靴代を出し惜しんで、子どもに身体の悩みやコンプレックスを残すことがないようにしてあげたいですね。
子どもの足に忍び寄るトラブルや障がい
子どもを育てていると、その成長には眼を見張るものがあります。特に靴はたった数ヶ月から半年でサイズアウトして、買い替えになってしまうことも。親としてみたら、どうせすぐ成長するから大きめの靴を…、と服とおなじ感覚で買ってしまうかもしれません。ですが、これが子どもにとって足のトラブルを引き起こす原因になっています。
私たちNPOオーソティックスソサエティーは、全国で「足の調査」を実施しています。
千葉県の幼稚園に通う子どもたち293人を対象に、足のサイズや指の変形、足裏の接地の具合を調べたデータをみると…
なんと、子どもたちの47%の足に「浮き指(うきゆび)」が、70%に「内反小趾(ないはんしょうし)」が見られました。
それだけではなく、子どもたちの4%が、中高年の足のトラブルと思われていた「外反母趾(がいはんぼし)」を抱えていることがわかったのです。
子供に起こる足のトラブルの多くが、サイズの合っていない靴による、身体バランスの崩れから起こるものです。
車移動やゲームの普及による運動不足
正しい靴選択をしないことに加えて、交通網の発達や治安の悪化、ゲームの普及による子供の歩行量の低下が足の発達とそれに付随する筋力の低下を招き、子どもの足のトラブルに拍車をかけています。
我が家は車を持っていないので、子供は毎日幼稚園まで往復1.5kmほど歩かせていますが他の家庭では500mほどの近所にもかかわらず車で送迎されている方もいらっしゃいます。車での送迎に慣れているお子さんは、数百メートルも歩かないうちに抱っこを要求したり、ぐずったりするようです。
もしかしたら都心よりも、自動車社会である地方都市のほうが運動不足という点では深刻なのかもしれません。
子供の靴はきちんとしたものを選ぶ
子供の靴を無印良品やアパレルショップで買うのは避けてください。子供の靴は陸上選手のシューズと同じくらい、身体にとって重要なアイテムです。子どもにとって歩くことは成長のためのトレーニングです。マラソン選手は無印良品の靴でトレーニングはしません。マラソンにあったシューズを選びます。子どもの歩行もそれと同じことです。
子どもの足の発達を阻害する靴を親が無意識に与えてしまわないようにしてください。
餅は餅屋。それは靴も同じ
子供の靴を選ぶなら、子供の靴を真面目に作っているシューズメーカーから選ぶことをオススメします。無印良品や子供服チェーン店の靴がどんなにデザインが優れていてもです。科学的な知見から子供の特性や成長に見合った靴作りをしているメーカーの靴は、ただのブランド品とは別物です。
なぜこれが子供用の靴なのか?子ども靴を真面目に作っているメーカーは論理的な答えを持っています。
我が家は5年間2子ともにアシックスのスクスク
第1子が立ち上がるようになってから、我が家はずっとアシックスのスクスクを与えています。
子どもの足の正しい発育を阻害しないデザインと、年齢で変わってくる運動レベルに合わせたシューズ作りに共感して選びました。
価格は乳児用が1足4,000円ほど、幼児用やジュニアサイズは6,000円を超えますが、将来外反母趾や扁平足に悩み治療したりメディカルシューズを買うことを考えれば安い投資です。
スクスクが優れているポイントは以下のとおり
- シューズの先が巻き上がっているのでつまづきにくい
- つま先部分が子どもの足の指に合わせた扇型
- 靴底が曲がることで、子どもの膝や腰に負担をかけない
- わんぱく盛りの男児が履いてもくたびれない耐久性
- 乳児から小学校高学年まで幅広いラインナップ
靴選びは足の長さより1cm大きめがベスト
靴選びで重要なサイズ選択ですが、足の長さより1cm程度大きめのサイズがベストです。靴下の厚みも加わりますので、プラス5mmから1cm余裕を持ちましょう。合計で1.5cmから2cmがベストフィットと言えます。
冬は靴下も厚みが増すので、冬前に少し大きめのサイズを買うようにしています。我が家では4月と11月の買い替えサイクルです。
靴が変わると歩きが変わる
これは見て分かるくらい歩き方が変わります。我が家の上の子が歩き始めた頃、祖父母が気を利かせて靴をプレゼントしてくれました。メーカーは忘れましたが粗悪品ではなかったものの、履かせたらガニ股歩きになってしまいました。元のスクスクに履き直させたらいつもどおりの歩き方に。靴が違うとここまで歩き方が変わるものかと驚かされました。
靴のお下がりはNG
靴は履いた人の足の形に変化します。上の子の履いた靴を下の子に履かせると、姿勢が崩れたり足を痛める原因となるのでお下がりは避けてください。半年数ヶ月しか履いてないから、使い回したい気持ちもわかりますが靴だけは専用として割り切ってください。
子供靴はきちんとしたメーカーを選ぶ
子供の靴はアシックスのスクスクだけではありません。ナイキも真面目なキッズモデルを作っています。大切なのは、自分の子供に履かせる靴は子ども靴作りに論理的な説明をしているメーカーから選ぶことです。子供の足の発育の半分以上は親の関わりが必要になってきますから、きちんと向き合っていきたいですね。
靴も大事、運動はもっと大事
良い靴を選べばそれで安心ではありません。確かに靴は子どもの足の成長に大きな影響を及ぼしますが、あくまでも足を入れるものです。良い運動器具も毎日の継続がなければ効果を発揮しないように、良い靴は適切な運動とセットで効果を発揮します。
日本の子どもは、運動時間が減少していると言われています。しかし、幼稚園内での運動量は減っていません。これは、親と過ごしている時間の運動量が減っているのです。普段から運動を意識するのは、大人も子どもも同じですね。
ダイエットついでに、幼稚園が500m圏内なら歩いて送迎したり、近所の買い物に歩きで連れて行ってあげたりと普段の生活から歩くことを意識してみたらどうでしょうか?
まとめ
子どもの靴選びの要点
- 正しい靴選びは将来への投資
- 靴で歩き方や姿勢は変わる
- 子供靴である理由を説明しているメーカーのものを買う
- 靴のサイズは足の長さ+1~2cmがベスト
- 靴は入れ物、運動も心がけよう
- オススメはアシックスのスクスクシリーズ
値段は決して安い靴ではありません。しかし将来子どもの外反母趾や偏平足、その他のトラブルを未然に防止できるなら、もったいない出費にはならないはず。成長がめまぐるしい子どもだからこそ、発達をじゃましない良い物を与えていきたいですよね。