年間200億円の巨額費用でスカパーから放送権を奪い、向こう10年間Jリーグの独占配信(無料テレビ放送除く)権を獲得したDAZNを運営する英パフォーム。
これによりDAZNを介さなければ、映像によるJリーグ観戦をすることが不可能となったのです。
Jリーグをはじめサッカーの試合は平日の日中に開催されることも多く、会社や出先で視聴することも少なくないでしょう。
スカパーの中継権二次受けの交渉も決裂し、日中に録画して自宅で視聴することも難しくなりました。
この流れは賛否両論ですが我々消費者は新しいサービスを知り変化を嘆く前に、そのサービスの内容を知っておかなくてはいけません。
パケットの無駄な消費や望まぬデータ消費をしないよう、DAZNの特徴やスマホの通信をどれだけ消費するのか調べてみました。
いつでもスマホで手軽に観られるのがDAZNのいいところ
DAZNがスポーツ観戦の手段として優れている点のひとつは、いつでもどこでもスマートフォンでさっと観られるところです。
ネットの速報サイトでも試合経過はチェックできますが、細かい動きや試合の雰囲気はわかりません。
たとえ短時間しか観ることができなかったとしても、中継のライブ感を感じられると大きく違いますよね。
自宅でも外出先でも場所を選ばず視聴できる
DAZNは自宅のPCで観ることができるだけでなく、AmazonのFire TVを使えばリビングのテレビでも観ることができます。
家族にスポーツファンがいなければ、自室のベッドでごろ寝しながらスマホで中継を楽しめますし、2台までの同時視聴ができるのでリビングでは野球、自室ではホッケーという観方も可能です。
スマホやタブレットなどで観られるので、通信環境さえ確保できれば外出先でもチェックできます。
スカパーやケーブルテレビでは自宅のテレビでしか観られないことを考えたら、観たいときに観たいだけ使えるDAZNはとても手軽で便利です。
サッカー以外のスポーツ観戦にも
DAZNの見逃し配信機能を使えば、生観戦できなかった試合を休憩中や空いた時間に楽しめます。
ダーツやボーリングなどテレビで放送される機会が少ない種目でも、時間が会いさえすれば生観戦がどこでも楽しめるのもいいですね。
ひとつのスポーツの特定のチームを応援するよりも、様々なスポーツを幅広く見るのが好きなら手放せないツールとなるでしょう。
実際に使って-回線の善し悪しがはっきり出る
第一印象は、遅延や画像劣化は観戦に影響のないレベルに押さえられており、想像以上に快適な放送をしていることでした。
ただし、回線の速度に依存している部分も多くフリーWiFiスポットでは視聴が難しいため、ある程度速度が確保できる自前のスマホ回線やモバイルWiFiが必須と感じました。
とくに標準画質の画質劣化が激しく、サッカーやF1のような俯瞰観戦がメインの番組であれば問題ありませんが、ダーツでは得点の字幕が読めなくなるなど一部番組では視聴困難なレベルになってしまいます。
次でも説明しますが、HD画質視聴の推奨速度は9Mbps・標準でも5Mbpsと要求される速度はそこそこ高いものとなっています。
契約会社と時間帯によっては格安SIMでも視聴が難しい数字だといえるでしょう。
DAZNの契約を検討している人で格安SIMを利用している人は、自回線の速度を確認しておくと良いですね。
DAZNの推奨環境と通信量
DAZNは動画のストリーミング配信サービスである以上、快適に観られるだけの通信環境を必要とします。
またスポーツの試合は動きが速いので、通信環境が足りず動画が止まると重要な場面を見逃したりしてイライラさせられる羽目になるでしょう。
必要な通信速度はどれくらい?
DAZNを観るのに必要な通信速度は、標準画質で5.0Mbps、HD画質で9.0Mbpsです。
https://my.dazn.com/help/JP-ja/about-recommended-devices
モバイル回線で観る場合は特に、普段どれほどの通信速度が出ているかを確かめてから契約しましょう。
DAZNで観戦したときに消費するデータ量
サッカーの試合(約110分)を観た場合、標準画質で観続けた場合は約4.1GB、HD画質で観続けたとすると約7.4GB消費する計算です。
しかし使っている回線の速度に従って自動で調整されるため、データ量が足りないからと言って手動でどちらかを選ぶことはできません。
サッカーの試合はそれほど長いとは言えませんが、野球など1回の試合時間が長いスポーツを観るつもりで契約する場合は注意しましょう。
DAZNをスマホで観るならモバイルWiFiの契約が必須
DAZNは1回の試合観戦で非常に多くのデータ量を消費するため、モバイル通信で観ようと考えるなら月間総量無制限の回線を確保しなければなりません。
キャリアの大容量プランは月間30GBですが、それでも月に4回サッカーの試合を観れば使い切ってしまう程度の容量です。
すべてHD画質で観たとして7時間25分程度しか観られないため、スキマ時間で少しだけ観るという使い方をしたとしても満足に使えないでしょう。
そのため、月間データ量の制限がないプランで契約することを強くお勧めします。
それだけでなく、実効速度5Mbps以上を維持できなければ快適に観ることができなくなります。
一部の格安SIMの業者では、月間総量に制限がない代わりに速度が遅いプランを用意している企業もあります。
しかし、標準画質で観るとしても実効速度5Mbps必要ですので、そのようなプランではいくらデータ量無制限といっても観ることはできません。
ギガ放題プランでデータ量実質無制限のWiMAXがおすすめ
ポケットWiFiや格安SIMの事業者でデータ量無制限のプランを提供する企業はいくつかありますが、大量にデータを使うと速度制限がかかったり、提供エリアが狭かったり、あるいは通信速度がDAZNの推奨環境に満たなかったりします。
その点、WiMAXは速度制限が他社より緩く、かつ高速通信を実現しています。
下り最大440Mbpsの高速通信
WiMAX2+の魅力の一つは、キャリアアグリゲーションによって下り最大440Mbpsの通信速度を実現したところにあります。
ベストエフォート型の通信なので常に440Mbps出るわけではありませんが、地方都市の平日12時半ごろに約45Mbps出ていました。
お昼休憩の時間でもあるので比較的利用者がいる時間帯と考えられますが、この速度があればDAZNだけではなく他の動画も快適に観られる速度です。
早朝や昼間に観るなら速度制限も関係なし
WiMAXの場合は他の事業者と違い、3日間で10GBを超えて利用した場合に速度制限がかかります。
他社で3日3GBのところが多いことに比べれば相当緩いのですが、違いはそれだけではありません。
WiMAXの場合、制限がかかる時間が毎日午後6時~翌日の午前2時までに限定されています。
つまり、3日間で10GBをどんなに超えて通信していたとしても、この時間帯を外してさえいれば制限に影響されることがありません。
この点は特に、特に海外の試合を早起きして生中継で観るスタイルに合っています。
日本時間の明け方に行われる試合をベッドの中でさっと観ることができるだけでなく、通信制限にかかることがないため、この時間の試合は実質観放題になるからです。
逆に18時~2時までに一番利用する人は、1日サッカー1試合HDで視聴すると2日で制限がかかってしまうので、自宅で視聴できるよう仕事のスケジュールを意地でも調整してください。
今現在モバイルルーターでWiMAX以上の制限と速度を確保できるサービスはありませんからね。
まとめ
スカパーから英国企業に放映権を奪われてしまったJリーグの放送権は、残念ながらテレビの時代からインターネットの時代にシフトした時代の流れとみることもできます。
純粋にテレビとそれに付随するコンテンツ作りが得意な企業より、自社コンテンツの相乗効果を生み出せるパフォームの方が資金も潤沢で投資の回収見込みも立てやすいのでしょう。
事実スカパーは50億で買っていたJリーグ放映権がなくなっても、大勢に影響はないとの見解を発表しています。愚直に清く正しく一本筋を通す、職人的な価値観が資金潤沢な企業に刈り取られる時代の幕開けなのかもしれません。
とはいえ、消費者ができることは新たに生まれた枠組みを賢く利用していくしかないのです。
データ消費量が大きなDAZNのLIVE中継を利用する際は、スマホのデータ残量に注意して利用するようにしてください。
予算が許すのであれば大容量通信可能なモバイルWiFiを別途用意し、データを心配せず視聴できる環境を構築することをおすすめします。