スマートフォンなどの通信機器は持っていて当然の時代になった今、通信方法も多様になっています。
動画などの容量が大きなものを扱えるように、新しい方法が次々に出てきています。
その中でも有名なのがWiMAX・LTE・AXGPです。
これらの通信サービスは大容量のデータを扱うことに長けていますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。
3大キャリアが取り扱うLTEは、エリアや繋がリやすさそして知名度が高く、私たちの生活にも馴染みのある電波です。
エリア質サービスともに最強とも言えるLTEですが、それでは何故、WiMAXやAXGPと呼ばれる電波が存在し利用されているのか?
3者の違いを調べてみました。
LTEとは?
LTE(Long Term Evolution)とは次世代高速通信規格の名称です。3Gよりも早い通信が可能であるため、現在の通信形態の主流になっています。
LTEは当初、4Gが普及するまでの繋ぎと考えられており、「3.9G」と呼ばれることもありました。
しかし、LTEが予想以上に普及したため、4G=LTEの図式が出来つつあります。
LTEの特徴
LTEのメリットは3Gなどの従来の通信方法よりも高速性に富んでいる点です。
3Gの速度はドコモやソフトバンクが採用しているW-CDMA方式では下りの最大速度が14.4Mbps(上り5.7Mbps)、auはcdma2000という方法を採用しており下りの最大が9.3Mbps(上り5.5Mbps)となっています。
LTEではドコモが提供している「Xi(クロッシィ)」では下りが最大150Mbps、ソフトバンクが提供している「SoftBank 4G」「SoftBank 4G LTE」では最大110Mbps、112.5Mbpsとなっていますので、3Gの10倍早くデータのやり取りが可能となっています。
ただし、LTEにもデメリットがあります。
LTEが高速化する歴史の中で、利用している周波数を大きくしてきました。
周波数が大きいほどたくさんのデータのやり取りが可能ですが、欠点として波の届く距離が短くなることや直線にしか進まなく弱点が生まれます。
そのためLTEの電波を飛ばすためには基地局の増設が不可欠であり、LTEが完全に普及するまでdocomo、KDDI、SoftBank各社は莫大費用をかけて基地局の整備に奔走しました。
携帯電話がガラケーからスマホに変化したと同時に、通信料金が大幅に値上がりしたのには、LTE基地局設置の予算を確保する必要があったのかもしれませんね。
これによりLTEの普及は全国規模で進められたため、各キャリア人口カバー率99%となっているため、繋がリ安さへの不安はほぼ解消されていると言っていいでしょう。
AXGPとは?
「SoftBank 4G」の別名が「AXGP」と呼ばれています。
ソフトバンクに買収されたウィルコム社が買収前にPHSの進化系としてXGPを開発していたもに、改良を重ねてAXGP(Advanced XGP)として提供しています。
ソフトバンクが提供している帯域幅は3G(W-CDMA)で10MHzのところ、AXGPで20MHzと2倍の幅で運用されています。
この帯域幅は回線の道路のようなもので、幅が大きいほどたくさんのデータをやり取りすることができ、混雑しにくくなります。
技術的な面で言うと、ドコモが提供している「Xi」や「SoftBank 4G LTE」とは少し異なります。
これらはFDD-LTEという技術を用いているのに対し、「SoftBank 4G」はTD-LTEを使っています。
TD-LTEのメリットは通信障害の緩和をしやすい点です。
データ通信では「上り」と「下り」の2つが存在しますが、TD-LTEではどちらかの利用が多い時にその枠を大きくすることができます。
使わない枠を小さくし、使う枠を広げることによって効率良くデータ通信を行うことが可能となるメリットが生じるのです。
特に都市部ではデータ通信量が増えすぎてしまい、多くの人がスマートフォンを利用する時間帯では通信速度が遅くなりがちです。
TD-LTEはこのような都市部の通信混雑を解消するのではないかと期待されています。
デメリットとしては周波数帯の問題があります。TD-LTEは2.5GHz帯という大きな周波数帯が割り当てられています。
周波数が高ければ一度に扱うことのできるデータ量が大きくなりますが、短い距離しか届かず遮蔽物に弱くなるという欠点があるのです。
WiMAXとは?
WiMAXとはインターネットに近いのですが、電波の方式としては携帯と同じく無線形式です。
KDDIグループ内のUQコミュニケーションズが提供している「UQ WiMAX」が正式名称になります。
WiMAXは一般的にモバイルルーターとして使われることが多いです。
出先でインターネットを使うことが出来たり、回線を引かずに自宅で利用できることからライトユーザーからヘビーユーザーまで多くの方に人気があります。
UQ WiMAXが提供しているサービスには「WiMAX」「WiMAX 2+」の2種類があります。特にWiMAX 2+は220MbpsというLTEに負けないほどの速度が出るので、大きなデータを扱う際に有用といえるでしょう。
WiMAXのメリットは工事なしでネット環境を提供できることです。
WiMAXとWi-fiは似ているものとして扱われますが、この2つは働きが異なります。
Wi-fiを使う場合にはその場所までネット回線を引く必要があります。
この方法は工事が必要になりますので、別途費用がかかってしまったり、共同住宅では工事を行えないことがあ流ので注意が必要です。
対してWiMAXは特別な工事が不要です。WiMAXの無線を提供している基地局からルーターに電波が届くので、その電波をスマートフォンなどに飛ばしてネットを使うことができます。
WiMAXのデメリットはサービスエリアが全国を網羅していないことです。
自分の住んでいる地域がサービスの圏外であればWiMAXを使うことができません。
都市部はほとんどの地域でWiMAXを利用することができますが、山間部では基地局が少ないことから利用できないことが多いです。
WiMAXのホームページにサービスエリアが確認できますから、申し込みする前には確認するようにしてください。
LTE・AXGP・WiMAXを比較
LTE、AXGP、WiMAXをサービスの観点から比較した場合、どのようなメリット・デメリットがあるのか比較してみましょう。
エリア(国内)
LTE、WiMAX、AXGPの3つで比較した場合、使えるエリアが一番広いのはLTEです。
LTEと一口に言ってもドコモ、ソフトバンク、auなどの大手携帯電話会社がサービスを提供していますが、どのLTEもサービスの利用可能範囲は広いのが特徴です。
全国の山間部以外では多くの場所で使えるのがLTEの強みとなっています。
LTEの次に利用可能範囲が広いのがWiMAXです。
ほとんどの県の市街地では使うことができますが、人口の少ない県の市街地はサービスの利用範囲外の場合があります。
その原因の一つが電波の問題です。WiMAXは大きな周波数を使っているので、電波が遠くまで届きにくいです。
ただし、電波が届かないデメリットは電波を発信する基地局を増やすことで解消することが可能です。
全国どこでもWiMAXを使えるように基地局の増設が進んでいますので、利用可能圏内は拡大しています。
一番利用できるエリアが狭いのがAXGPです。都市部は使える場所が多いのですが、地方では県庁所在地の付近しかサービスを提供していないことがあります。
また、エリアの拡大もWiMAXと比べて遅いです。
つながりやすさ
サービスが利用可能な範囲であっても、実際に電波を拾えるかというのは別問題です。
外で使う場合と建物の中、地下などで使う場合には繋がりやすさが変わってしまいます。
建物の中でも繋がりやすいのはLTEです。WiMAXやAXGPに比べて周波数が低いので、電波が壁に当たっても曲がりやすいのが特徴です。
つまり、建物の中など遮蔽物が多い場所や電波が入りづらい地下などの場所にも届きやすいのがLTEです。
WiMAXとAXGPの両者には繋がりやすさの違いはほとんど変わりません。
どちらも高い周波数の電波を用いているので、遮蔽物や地下などになると繋がりにくくなる弱点があります。
使い勝手
通信速度ばかりに目が行きがちな通信サービスですが、それ以外の部分も充実しているか知っておく必要があります。
速度以外で大事なこととしては、速度制限がどうなっているかどうかです。
動画などの大容量のデータを扱うようになった現状、一定のデータ量を超えると通信速度が低下する機能がほとんどの通信サービス会社で取り入れられています。
そうしなければ、回線がパンク状態になってしまい、普段から通信速度が遅くなってしまう可能性があるからです。
速度制限の面ではWiMAXが一番使いやすいです。
以前のWiMAXは速度制限がなかったため、毎月使い放題でしたが、現在は毎月7GBまでの制限があります。
しかし、「WiMAX 2+」の「ギガ放題」プランでは普通のプランに684円上乗せすることで7GBの上限をなくすことができます。
また、直近3日の通信料の合計が3GBを超えても速度制限がかかるのですが、LTEなど他のサービスでは3日で1GBとなっているので、縛りがゆるいという点もWiMAXが優れています。
また、速度制限にかかった後の速度もWiMAXが優れています。
普通のプランで月に7GBを超えた場合、WiMAXでは6Mbpsに速度が低下します。
最高速度が220Mbpsですから、制限によって大きく速度が低下することは事実です。
しかし、6MbpsでもYoutubeなどでの動画再生は可能ですから、大きなデータを扱わなければ速度低下によるデメリットを受けづらいです。
LTEやAXGPも月に7GB使用することで速度制限がかかります。
その際の速度が128KbpsとWiMAXに比べて小さいので、Webサイトを閲覧するのも時間がかかることがあります。
通信量無制限なら日本国内はWiMAXが有利
各サービスを比較しましたが、今一番オススメできる通信方法はWiMAXです。
エリアや繋がりやすさの部分ではLTEが優れていますが、使えるエリアの拡大の速さを考慮すると、今後WiMAXが全国どこでも使えるようになる可能性が高いです。
WiMAXをオススメする理由は「ギガ放題」を選べば通信料無制限に使える点です。
昔は画像やWebサイトの閲覧などが主流であったため、通信料が少なくて済んでいました。
しかし、今はスマートフォンで動画を見る機会が増えたので、莫大な通信料がかかるようになっています。
ですから、通信料のことを考えなくて済むWiMAXを選ぶことで、速度制限のストレスから解放されます。
もしもどのサービスを使おうか悩んでいるのでしたら、WiMAXを選ぶことをオススメします。