ポケットWiFiを使っていると、ウェブサイトの読み込みが遅くなる、動画がスムーズに再生されないなど、急に遅くなったと感じることがあります。
ポケットWiFiを経由したデータ通信が遅くなる原因はどこにあり、どうすれば改善できるのでしょうか。
ポケットWiFiが遅くなった!考えられる原因
ポケットWiFiが遅くなる原因は、電波の入りづらい場所やエリア外にいる、通信が混み合っている、契約した月間データ量を超えた、短期間で大量の通信をした時の通信速度制限にかかったなどが考えられます。
電波の入りづらい場所やエリア外にいる
電波の入りづらい場所やエリア外にいると、電波が遮られたり通信が途切れたりするため、ポケットWiFiが遅くなったと感じることがあります。
屋内や地下街など電波が入りづらい場所
屋内や地下街など電波が入りづらい場所にいると、つながりにくくなることがあります。
トンネル、地下、建物の中、山間部などでは、速度が遅くなったり、通信が頻繁に途切れたりすることがあるのです。
また、鉄筋コンクリート造の建物内や、アルミ箔の付いた断熱材が使われている建物内にいる時も、電波が遮られてしまい、通信速度が遅くなることがあります。
サービスエリアの境目
サービスエリアの境目にいる場合も、ポケットWiFiが遅くなったと感じることがあります。
エリアの境目は基地局から離れているため、電波が弱かったり届きにくかったりするからです。
通信が混み合っている
通信が混み合っている場合にも、ポケットWiFiが遅くなったと感じることがあります。
年末年始や災害の時、花火大会など大きなイベントが開催されている時は、ある特定の時間帯や場所に通信が集中するため、回線が混雑するため通信制限がかかることがあり、結果としてつながりにくくなるのです。
契約した月間データ量を超えた
月々のデータ通信容量の上限が決まっている料金プランで契約している場合、決められた月間データ量を超えた時には、通信速度の低速化が行われます。この時、通信速度は最大で128Kbpsに制限されるため、ポケットWiFiを経由した通信はかなり遅く、実用に耐えないレベルです。
短期間で大量の通信をした時の通信速度制限にかかった
短期間で大量のデータ通信をすると、一時的に通信速度が低速化される場合があります。
例えばワイモバイルの場合、前日までの3日間の利用通信量が10GB以上を超えると、当日の18時から翌日1時までの通信速度が下り最大1Mbpsに制御されます。制限速度は、最大で1Mbpsとなっています。
WiMAX2の速度制限は7GB制限(フラットツープラン)・7GB制限(LTEオプション)・3日10GB制限(ギガ放題)の3つです。
いずれも制限後速度の違いや制限条件、解除の方法が違うのでそれぞれ別に解説と解決策を提示していきます。
3日10GB制限
ワイモバイルやWiMAX2+で一番の人気プラン、ギガ放題・アドバンスモードの3日10GB制限は、3日間のデータ通信合計が10GB以上になった日の翌日18時から翌々日2時まで回線速度が約1Mbpsに低下します。それ以外の時間帯は通常速度のままです。
18時頃からYouTubeの画質荒れたり、アプリのダウンロードが遅くなったりする場合は3日10GB制限に引っかかった可能性が高いですね。
3日10GB制限で厄介なのは、3日間のデータ通信合計が10GB以上の状態が続くといつまでも速度制限が解除されないことです。
WiMAXの場合、3日10GB速度制限のイメージは以下の図のようになります。
制限前であれば50GBでも100GBでも使えるので、理論上どんなデータでもダウンロードし放題なのがWiMAX2+ギガ放題の凄いところだといえます。
解決策
1日3GB未満を目安に通信しつつ最大3日間待つ。
速度制限時間は18時から2時なので、それ以外の時間は通常速度で利用できます。ワイモバイル、WiMAXともに日中は最大速度で利用できてしまうので、通信量超過に注意して3日間過ごしてください。
WiFiに複数の端末が接続している
WiMAXの端末に複数のスマホやパソコンを接続して同時通信すると速度が急速に低下することがあります。
スマホやタブレット、パソコンと複数端末にパスワードを記憶させていると何かの拍子に一斉にWiMAX端末につながることも少なくありません。
家族で利用していると自分と配偶者と子どものスマホがいつの間にかWiMAXにつながっていることもあります。
スマホやタブレットのWiFi接続優先度を変更するには手間がかかりますし、優先度を設定したとしても、固定回線のWiFiが途切れた瞬間にWiMAXのWiFiが割り込んでくることがあるため、自動接続設定をOFFしない限りこれを食い止める手はありません。
モバイルルーターの不具合
上記トラブルをチェックしても回線速度が回復しないようであれば、モバイルルーター本体が原因かもしれません。
モバイルルーターの不具合は原因の種類が多く、複合的なトラブルで不具合が出ている可能性もあります。
またソフトウェアが問題だと自力解決は不可能に近いため、修理や買換えの検討が必要です。
対策
端末の不具合が疑われるなら、以下の5つの対策を順番に確認してください。
- 再起動
- バッテリー抜き差し(機種による)
- SIMカード抜き差し
- SIMスロット端子の清掃
- ファームウェアのアップデート
これでも直らないようでしたら、端末を修理に出すか買換えをおすすめします。
ポケットWiFiが遅くなった時のチェックポイント
ポケットWiFiが遅くなった時には、何が原因でデータ通信が遅くなっているのかを確認する必要があります。
最初に確認したいのは、通信回線が正しく機能しているかどうかです。
通信エリア外ではないこと、プロバイダで通信障害が起きていないことを確認します。
通信エリア内にいて、プロバイダの通信障害も起きていない場合、電波の発信側であるプロバイダや基地局ではなく、受信側に問題がある可能性が出てきます。
電波の入り方や干渉する電子機器、通信量が多すぎて速度制限されていないかを確認しましょう。
電波の入りを確認する
電波の入りづらい場所やエリア外では、ポケットWiFiがつながりにくくなることがあります。
電波の強度を確かめ、電波が弱い場合には電波が入りやすい場所へ移動したり、ポケットWiFiを電波の入りやすい場所に置くなどの工夫が必要です。
干渉する電子機器がないか確認する
Bluetoothや電子レンジなど、2.4GHz帯を使用する電子機器が近くにある場合、ポケットWiFiの電波に干渉して接続が不安定になることがあります。
電子機器の電源を切るなどしてポケットWiFiの電波状況が改善される場合、電子機器から離して使うことで、ポケットWiFiの通信が安定する可能性があります。
通信量が多すぎないか確認する
動画の視聴など、短期間で大量のデータ通信をしたことによる通信速度の低速化は、制限時間を過ぎれば解消されます。
しかし、月々のデータ通信容量の上限を超えてしまった場合は、翌月の1日まで通信速度が低速化されるため、それまで不便な思いをするでしょう。
いずれにしても、自分がどれくらいのデータ通信を行っているのか、把握しておく必要があります。
自分が今どれくらいのデータ通信量を使っているのかを確かめるには、ポケットWiFi端末の画面で確認する方法と、プロバイダのマイページで確認する方法があります。
データ残量の確認
ポケットWiFi端末に液晶タッチディスプレイが付いている場合、当月のデータ通信量や月々のデータ通信容量の上限まであとどれくらいかなどを、ポケットWiFi端末で確認することができます。
例えばWiMAXルーターの「Speed WiFi NEXT WX03」では、端末の液晶タッチディスプレイに当月のデータ通信量と通信容量の上限が円グラフで表示されるため、通信速度制限まであとどれくらい残っているのか、直感的に把握することができます。
プロバイダのマイページで確認
当月のデータ通信量は、プロバイダのマイページで確認できます。マイページはプロバイダの公式サイトからユーザ登録をすることで使えるようになります。例えばワイモバイルでは、「My Y!mobile」という名前でサービスが提供されており、通信モード設定などが可能です。
安易なデータチャージは考えもの
契約した月間データ量を超えた時、ワイモバイルでは追加容量を購入して通常速度に戻すことができます。しかし、500MBで500円と割高な上、利用料金が高額になりがちなので、安易にデータチャージをすることは対処法としてはお勧めできません。
データの上限のないWiMAXがおすすめ
月末になると必ず通信速度制限がかかってしまう場合、7GB制限などのデータ通信量の上限がない、使い放題の料金プランに契約変更するのが得策です。
データ通信量の上限がない料金プランは、ワイモバイルとWiMAXの双方にあります。
ワイモバイルの場合、「Pocket WiFiプランL」、または「Pocket WiFiプラン2」にアドバンスオプションをつけて契約し、ルーター上で「アドバンスモード」の設定をすることで、データ通信量の上限なくデータ通信をすることができます。
しかし、「アドバンスモード」の通信方式はAXGPに限られ、通常時のLTE・3G方式に比べると通信サービスの提供エリアが狭いため、使い勝手があまり良くないのが欠点です。
一方WiMAXは、複数のプロバイダからサービスが提供されているため、高額キャッシュバックのキャンペーンが頻繁に行われています。
WiMAX系のプロバイダには「ギガ放題」と呼ばれる料金プランがあり、ワイモバイルのAXGPよりもサービスエリアが広いWiMAX2+方式でのデータ通信を利用できます。
毎月速度制限がかかるなら契約変更も検討する
ポケットWiFiが遅くなったと感じた時は、電波の入りづらい場所やエリア外にいないか、通信が混み合っていないか、契約した月間データ量を超えていないか、短期間で大量の通信をした時の通信速度制限にかかっていないかなどを確認しましょう。
電波が入りやすいところにいて、データ量にもまだ余裕があるのに遅くなっている場合は、通信が込み合っていたり干渉する機器が近くにあったりする可能性もあります。
ただあまりにもつながらなかったり、圏外の表示がされたりする場合は通信障害やメンテナンス、あるいはルーター自体の故障の可能性も高いので、プロバイダのウェブサイトをチェックしたり端末を再起動したりなどの方法を試みましょう。
低速化の原因が毎月必ず月間データ量を超えてしまうことにある場合は、使い放題の料金プランに契約変更するのも一つの手です。
たとえばWiMAX回線の場合、ギガ放題と呼ばれる料金プランで契約することで、WiMAX2+方式での高速データ通信を無制限で利用できます。
WiMAXなら月間データ通信量に上限のあるプランとギガ放題プランの間の変更が月単位でできますので、あまり使わないことがわかっている月は安く、出張や旅行でたくさん使う月はギガ放題でたっぷり使うというフレキシブルな運用が可能です。