WiMAXをはじめ、モバイルサービス契約で最も心配なのが、契約後快適に使えるのか、でしょう。
モバイル回線の契約は、サービス内容を自身で理解した上で契約して申し込んでいることが前提となっているため、クーリングオフができません。
よって、契約後の無償解約はプロバイダ側の恣意的な説明不足や、存在しないサービスを案内されるなどごく限られた理由によってでしか認められませんでした。
ですが電気通信事業法改正により、これまで契約者都合による無条件解約が認められなかった、通信回線事業でクーリングオフに類似した解約精度が策定されました。
また、法改正にならいプロバイダによっては、契約後のトラブルや不安を解消するために期間を定めて、契約者都合による無償解約期間を設けているところもあります。
あなたの利用エリア内で、WiMAX2+のつながりが心配な場合は、無償解約サービスを要ししているプロバイダと契約すると良いでしょう。
割引やキャッシュバック率の高い人気なプロバイダが独自のサービスを設定していることもあるため、無償解約のある無しを一つのベンチマークとしてプロバイダを選ぶのが理想的です。
WiMAX2+はなぜクーリングオフできないのか?
WiMAX2+の話に限りませんが、モバイル回線はクーリングオフの対象外です。
なぜ対象外なのかは、クーリングオフ制度が施行された経緯から考察する必要があります。
クーリングオフ制度
クーリングオフ制度の始まりは、訪問販売やキャッチによる強引な勧誘、悪徳商法被害救済のための措置として制定された制度です。
クーリングオフ制度が登場するまでは、商品の内容をよく理解せず、周りの圧力や熱狂により冷静な判断を失って高額商品を購入しても、契約書が存在するため代金支払い義務を免れることはできませんでした。
立場が弱く購入意志が曖昧なまま契約させられた消費者が、頭を冷やして商品の必要性や支払い能力を考え直すためのクーリング期間として契約内容に応じて8~20日間無条件で解約することが法律的に保護されているのです。
電気通信事業法改正による初期契約解除制度の制定
これまでモバイル通信は、店舗や販売ページで消費者が消費やサービス内容に納得した上契約しているものとして考えられていたため、クーリングオフの対象外として取り扱われてきました。
ですがdocomoを始めとする日本のスマホ業界を見ても分かるように、複雑な料金システムは数え切れないほどの有料オプション、抱き合わせ販売にスマホの月賦購入と複雑奇怪なサービスとなっています。
悪質な販売店によるオプションの押し売りや、安くなるからと余分なスマホやタブレットの抱き合わせ販売も横行しました。
格安SIMの登場により店舗を通さずネット上でモバイル回線を契約する件数も増え、トラブルも増加します。
これまで通信サービス提供側は契約すれば違約金縛りでユーザーを囲い込めるため、獲得した者勝ちの無法状態でしたが、さすがに総務省も無節操と判断したのか初期契約解除制度を制定し消費者保護に乗り出しました。
初期契約解除制度とは?
総務省「電気通信事業分野における消費者保護の施策」とずいぶん長い施策内容ですが、主に5つの観点から消費者の保護ご目的とした制度です。
1.説明義務の拡充
- 高齢者、障害者、配慮が必要な契約者に対象者の水準を配慮して商品の説明をおこなうこと
- 2年縛り更新期間に事前通知をすること
2.書面契約義務の導入
- 契約後遅延なく締結された内容を書面で交付する
3.断りのないしつこい勧誘の禁止
- 継続的な勧誘を断ったにも関わらず、事業者・代理店がしつこく勧誘することを禁止
4.通信事業者が代理店に教育をする責任
事業者が代理店の教育の責任をもつ。某S○ftB@nkは代理店の質がバラバラでトラブルや契約ミス・詐欺まがいの契約も頻発していた。事実上SBへの業務改善命令?
5.初期契約解除制度の導入
クーリングオフ制度に似た消費者救済制度です。
ハガキや書面を事業者に送付することで、解約事由に関わらず解約金なしで契約を解消することが可能となりました。
サービス提供開始後8日間を限度とするなど、クーリングオフと同様の期間が設けられるなど、同制度を意識した仕組みになっています。
参照URL:電気通信サービスの消費者保護ルールの見直し
初期契約解除制度とは?
一見クーリングオフと同じく、契約の内容に関わらず特定期間の間は無条件の契約解除が認められる初期契約解除制度ですが、細かなところで違いが存在します。
まず、クーリングオフを利用した場合、送られてきた商品+サービスをすべて返品することが認められています。
しかし初期契約解除制度による通信回線の契約の場合、通信サービスやそのオプションは無条件で解約することが可能ですが、同時に購入したスマートフォンやタブレットは初期契約解除制度の対象外です。
初期契約解除制度による契約解除が認められる範囲はあくまで通信回線までであり、通信を利用するための端末に関しては無条件の解約は認められていません。
初期契約解除制度で無条件に解約できるから、新しいスマホを契約して遊んでから解約しようという狡い利用はできないようになっています。
消費者保護も大切ですが、事業者も保護するために必要な措置として端末は初期契約解除制度の対象にされていないことがわかります。
端末の解約は確認措置によって決定される
初期契約制度によって通信回線の無条件解約が認められても、1台数万円もするスマホやモバイルWiFiルーターの支払い義務が発生するのでは、解除制度が有名無実化してしまいます。
通信サービスを解約する動機の多くは、エリア外であったり契約後判明した通信障害です。
サービスだけ解約できても、使いみちのない端末に数万円支払う義務が発生しては消費者は泣き寝入りです。
その場合、初期契約解除の代わりに確認措置と呼ばれる制度が適応されます。
これは初期契約解除制度と異なり、契約後販売側の説明不足による不利益やエリア内でありながら電波状況が悪いことが確認された場合に限り端末も含めた契約解除できるルールです。
確認措置の場合、利用者側が事業者側に申し立て事業者側に対応を求めることになりますので、自己都合による無償解約を100%保証する制度ではありません。
説明が不完全であったり、エリアの確認ミスで圏外在住の人と契約帰結するなど、事業者側のケアレスミスで消費者が不利益を被らないためのルールです。
初期契約解除制度と異なり事業者側も解約相当と判断しないと認められない可能性もあるため、確認制度への過信は禁物です。
WiMAX2+はエリア判定のページで、詳細住所の電波状況を確認することができます。
また有力なプロバイダの中には、8~20日間以内で無条件で無償解約に応じる事業者も存在するため、WiMAX2+は通信事業者の中ではユーザーに最もリスクの少ない通信サービスを提供しているといえます。
ユーザーも初期契約解除制度でWiMAX以外で使い物にならない端末の料金だけ支払わされても気分が悪いので、プロバイダ独自に解約サービスを用意している会社を積極的に選ぶといいでしょう。
WiMAX2+を短期解約したくなる3つのケース
WiMAX2+はクーリングオフできませんが、初期契約解除制度と確認措置、各社独自の解約サービスのいずれかを利用することができます。
ではどのようなケースでWiMAX2+を短期解約したくなるのでしょうか?
自宅で繋がらなかった
一番の理由がコレですね。
WiMAX2+はポケットWiFiの仲間として、持ち運びできる高速モバイルルーターとして注目されていますが、一部では自宅の固定回線の代わりに利用するユーザーもいます。
一部のプロバイダでは全体の約1割が固定回線の代替え目的で購入しているため、自宅圏内で繋がりにくかった場合のガッカリ感と怒りは相当のものになるでしょうね。
WiMAX2+の2.5GHzは障害物に弱い周波数のため、大都市圏でも、ビルに囲まれた集合住宅の室内では繋がりにくいという報告もあります。
私の経験上では、鉄筋コンクリート造で窓が隣のビルに面しているアパートやホテルでは繋がりにくさを感じますが、こういう部屋は大抵キャリア回線の電波状況も良くなので、WiMAXだけが特別繋がりにくいと言い切るのは不公平な気もしますが…。
むしろ2.5GHzなのによく繋がるなと感心するくらいです。
速度が思ったより遅かった
次に速度が遅い、という不満です。
大容量高速通信が目玉で、電波の繋がりには多少目をつむる人も多い分、速度が遅い・突然低下するトラブルが頻発すると商品の魅力を失って強く責められます。
WiMAXを契約する人の中には、毎日たくさんの動画を視聴したりする人が多いため、回線速度の遅さは致命的です。
すぐ圏外
障害物の弱さは移動中でも気になることがあるでしょう。
特に地下鉄や地下駐車場のような、本来電波が届かない場所は各キャリアが独自に専用アンテナを整備したりしていることも少なくありません。
残念なことにWiMAX2+はキャリアと比較すると、事業規模が小さく地下や電波の届きにくいポイントへのアンテナ設置が間に合っていないのが現状です。
キャリアの有するプラチナバンドと違い、障害物に弱いため、天井が分厚く開口部が小さい地下街や地下鉄での快適な接続には、アンテナ整備を待つ他ありません。
また、端末のアンテナ方式によってつながりやすさも影響するため、つながりを優先したいのであれば4×4MIMOに対応した端末を選ぶといいでしょう。
4×4MIMOは端末内にある4つのアンテナが、基地局の4つアンテナそれぞれと接続される通信方式のため、電波が途切れにくく安定した接続が期待できます。
モバイル回線で繋がりにくいとされる高層ビル最上階でも未対応では圏外でしたが、対応端末では通常通りに接続が可能でした。
すぐに圏外になる場合は、端末性能によるところも大きいので、つながりやすさを優先するなら4×4MIMOを選ぶことをオススメします。
WiMAX2+を契約して後悔しないためには何をするべきか?
Y!mobileならSoftBankのスマホが使える場所全てで使えるため、エリア面で神経質にならずに住みますが、WiMAXの場合は別です。
WiMAX2+は他のポケットWiFiと違い、独自の提供エリアとなっています。
auのLTEエリアが利用できる月額1005円のオプションサービスもありますが、強制7GB制限がかけられてしまうので、WiMAX2+の持ち味の使い放題を活用できない死にオプションです。
そうなないためにも、プロバイダの用意するサービスを活用することが望ましいですね。
WiMAXの短期レンタルを利用
WiMAXのMNO(回線卸元)のUQWiMAXは、15日間のWiMAXを無料体験できるTryWiMAXの提供して、サービス品質への不安を払拭する取り組みを行っています。
端末貸出は
- 日本在住で20歳以上
- クレジットカードまたはデビッドカード所持
が対象です。
身分証明証の提示と、レンタル期間中は端末に応じて20,000円~22,750円のクレジット信用枠が差し押さえられる事になります。
信用枠が差し押さえられる理由は、端末の紛失や破損時の修理費用の確保が目的なので、何事もなく返却すれば、差し押さえは速やかに解除されます。
登録クレジットカードのクレジット信用枠が22,750円以下の場合は、TryWiMAXの利用ができなくなるので、クレジット残高には十分注意して下さい。
諸事情でデビッドカードしか所有していない場合は、郵送の手続きとなり利用開始までにタイムラグが発生します。
なおTryWiMAXは口座振替には対応していませんので、クレカかデビッドいずれかを準備してから申し込みをして下さい。
プロバイダの独自無料解約サービスを利用
電気通信事業者法の策定により、一部のWiMAXプロバイダの中には自主的に無料解約期間を設ける事業者も登場してきました。
GMOとくとくBBの場合
キャッシュバック最高額で人気のとくとくBBは、20日間に限り端末を含めて無償解約に応じることがアナウンスされています。
ただし好き放題解約できるわけではなく、エリア判定○の地域に居住して、電波が届かないことが確認されなくてはいけません。
あくまで個別環境に対する措置であり、誰でも利用できるおためしプランではありませんので、注意が必要です。
TryWiMAXとは違い今すぐ、本気で利用したい顧客が、安心してWiMAXを契約できるように用意されているサービスなのです。
BroadWiMAXの場合
BroadWiMAXの場合はとくとくBBの20日間解約サービスとは違い、初期契約解除制度として12日以内の解約に応じています。
通常初期契約解除制度は端末代金は除外されるのですが、BroadWiMAXは端末は無償提供しているとして、解除申請後7日以内の端末返却を条件に確認措置と同等の対応をしてくれます。
適応条件が初期契約解除制度と同等で、対応内容が確認措置と同じ為、とくとくBBの20日間無料解約とくらべ日数以外のすべての面で利用しやすい制度になっていますね。
私は受取り忘れの可能性が高く、プロバイダも受け取らせないよう巧妙なトラップを仕掛けているキャッシュバックよりも、月額割引で確実に安くなるBroadWiMAXを強くオススメしています。
BroadWiMAXのご満足保証
無料解約とは少しズレますがBroadWiMAXには、ご満足保証とよばれる解約金無料で系列の固定回線やY!mobileに乗り換えられるサービスも提供しています。
固定回線にも乗り換えが可能ですので、WiMAX2+で固定回線代用に挑戦して、使い勝手が悪かったら固定回線に乗換えると言った変則的な利用も可能となります。
まとめ
これまでWiMAX2+は個人の事情による無条件解約が不可能とされていましたが、電気通信事業法の改正により、クーリングオフとよく似た初期契約解除制度が平成28年5月より施行されました。
それに対応するように、WiMAXプロバイダも独自の無償解約サービスを提供しています。
せっかくの制度を最大限活用できるように、WiMAXを契約するときは安心して契約できるプロバイダを選んで契約して下さい。